初めて義父(イタリア人)に会った時、投げかけられたのがこの質問。
「キミは(政治的に)右かい?それとも左?」
(o゚c_,゚o )
日本では政治と宗教の話はタブー視されていますが、イタリアではそんなことはありません。
もちろん場所と状況を気にかける必要はありますが、特に政治の話はみんな大好きと言ってよいかと。
ちょっと親しくなれば、例えば息子のクラスメイトの親程度の距離感でも、政治的な思想を推し量ることができます。いや、推し量らなくても分かるか(笑)。
左寄りの中の右よりな部分
日本からイタリアに移住して数ヶ月経った頃の話。
50代の親せき女性が自分の妹について話すときに、
「結婚している方の妹」
という表現を使いました。
彼女と上の妹さんは未婚で、下の妹さんは既婚。
上の妹さんとは面識があったので、下の妹さんについて話したければ
「まだあなた達が会ったことのない妹」
とか
シンプルに「一番下の妹」
でも良かったのに...と違和感が。
90代の義祖母が誰かについて話をする時は、かならず既婚か未婚か触れるけれども、まぁこれは世代もあるでしょう。
でも彼女はまだ50代。
イタリアではよく使われる表現なのかと思い夫に聞くと、南の人だから古い考えなんだろう、とのこと(イタリア南部は保守的な人が多い)。
でも、あとから分かったのは、彼女は政治的には左寄りで、女性の権利などには敏感な方だというからまた驚きでした。
がっつり左派の憂鬱
私が住む市には、行政が運営している外国人向けイタリア語講座はなかったものの、NPOが市とコラボレーションをして外国人にイタリア語を教えていたので、私も通っていました。
ある日のこと。
レバノン人の男性(30代後半?)が1年前に結婚されたという奥様(レバノン人)を連れてクラスにやってきました。
私は初めましてでしたが、男性は去年もこのクラスに少し通っていたのだそう(イタリアとレバノンを半々で暮らしている)。
でもなんだか先生方の彼に対する態度がちょっとよろしくない感じ。
フレンドリーな風を装っているけれども、明らかに言葉にトゲがある。
普段は感じの良い先生方なのに...
と思ったら、こうでした。
この若い奥様は第2夫人だと。
外国人は歓迎!でもその文化はアンウェルカム?
このイタリア語クラスを開催しているNPO法人の方々は政治的に左寄り。
よって、何人もの妻がいるとか、そういったことが大嫌いであることは想像に難くなく。
でもね、
正直に言うと、先生たち、すごく失礼だった。
この男性はほとんどイタリア語を理解していなかったので、気付いていなかったかもしれないけれども、奥さんの方は多少イタリア語を話すし、居心地が悪かったと思う。
先生たちは政治的に左寄りだから外国人に好意的。
(だからこそ無料でイタリア語講座を開いている)
でも、自分たちが好まない文化は見下すの?
少なくとも目の前にいた第2夫人の女性は、
抑圧された環境で、学校にも行けず、幼少のころに嫁いで家の中に閉じ込められている、という訳ではなかった。
大学院でアートを学び、これからキャリアを積もうとしている20代半ばの女性だ。
なんだかちょっと後味の悪い授業となりました。
ちなみに、この第2夫人は私が日本人だと分かると
「草間彌生についてリサーチしたことがあるのよ!!!彼女はクレイジーだわ!」
と大喜び。
とてもチャーミングな女性でした。
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